渡辺恵子(わたなべけいこ)さん
現在4人の母である渡辺さん。
「miria」という屋号でつまみ細工のアクセサリーを販売しています。
つまみ細工とは、江戸時代から伝わる日本伝統文化で、正方形にカットした生地を、折り紙と同じ要領でピンセットを使ってつまみ、折りたたんでいくことで形にしていく技法です。
お子さんの晴れの日に、ちょっとしたお洒落のアクセントに、和小物「つまみ細工アクセサリー」を広めたいという思いがあります。
渡辺さんがどのようにして作るようになったのか、きっかけを尋ねてみました。
道路が狭い!人や車が多い!驚きだらけの富谷
渡辺さんは北海道出身。結婚を機に富谷へ引っ越してきました。
最初の印象は、北海道のだだっ広いのどかな風景とは違い、「道路が狭い!」「車や人が多い!」ということ。
見るもの全てが新鮮で驚きが多かったそうです。
そして、「特に驚きだったのは、人が良いところですね!子供がいる人に優しいことはよくあるけれど、県外からやって来た子供のいない私に富谷の人は親切に接してくれました」と、一番に驚いたこととして、富谷に住む人の良さを挙げられています。
そんな渡辺さんは、はじめは土地勘もないので、あちこち行っていたわけではないのですが、近所の魚屋や肉屋で話すことがあり、そこで情報を得ていたそうです。
やがて、富谷のお店で働くようにもなり、段々と富谷に馴染んできました。知らない土地に移り住むということは、とても思い切った決断だったのではないかと思います。
悔しさで毎日コツコツとハマる「つまみ細工」
お子さんが生まれ、しばらくは自分の時間を取れないでいた渡辺さんですが、第3子の次女が民謡を習い始めた事をきっかけに、着物に合う髪飾りを探していました。
そこで、和の髪飾りが自分で作れることを知り、「つまみ細工」という技法で作り始めました。
しかし、初心者がいきなりうまく作れるはずもなく、それに気付かなかったという渡辺さん。
はじめの出来は、あまりよくありませんでした。
発表会の日にちも迫り焦りますが、ご主人の弟の奥さんから花飾りをいただき、無事に事なきを得ました。
ですが、自分が作ったものを着けさせたかったのに間に合わせることが出来ず、とても悔しかったそうです。
それがあったからこそ、今度はうまく作れるようになりたい、と毎日コツコツと練習のために小さな花を作ることになりました。
練習し始めて1年。慣れてきた頃に、今まで作ってきたたくさんの花を見て、「そのままにしておくのはもったいないなぁ」と思い、友人たちへプレゼントしました。
すると、ひとりふたりと、プレゼントしていくうちに相手がとても喜んでくれる姿に感動し、作ってきて良かったと思えたそうです。
ママ友は、起業仲間
その頃、富谷市役所で開催していた『ららマルシェ』で、ハンドメイドの雑貨を販売をしている方を見て、私の作った物も売れるかも……と、販売も意識するようになりました。
しかし、はじめてのことでひとりでは不安なので、同じようにハンドメイドをしているママ友ふたりと「ひまわり」という名で販売をしてみることになりました。
イベント等での販売も場数を踏み、出店に対する不安もなくなり段々と一人で活動しようか悩むようになったとき、富谷塾という起業塾があることを聞き思い切って参加することにした渡辺さん。
そこには、久しぶりに会う知り合いもいて、自分の悩みを打ち明けると、「大丈夫だよ、なんとかなるよ」と、背中を押されたといいます。
それから、個人の屋号である「miria」として十宮夜市に初めて出店させていただき、今まではハンドメイド仲間とやっていたから、気付かなかったこと、大変なことがあったけれど、そのたびに学び、楽しく、出店することができたそうです。
私も、お客さんとして渡辺さんの「つまみ細工」を購入したことがあるのですが、ひとつひとつの花が小さく細やかな部分があって、これは流石に初心者が作るには無理だなと印象を受けました。
しかし、それを聞くと渡辺さんは、「難しいと思われがちだけど、そんなに難しくはないですよ。簡単に作れるようなワークショップもやっています」と、にこやかに教えていただきました。
安心できる相談所
イベント出店が多かった渡辺さんですが、インスタグラムやハンドメイド販売サイトでも受注販売をしているそうです。
それもはじめはどこから手を付ければ良いのか全くわからなかったそうです。
イベント出店ではなんとかやっていましたが、コロナでイベントがなくなりどうやって販売しようかと、迷っていた時に富谷市まちづくり産業交流プラザに常駐しているコンシェルジュの齋藤さんと佐京さんに相談をしました。
おふたりにFacebookのビジネス用アカウントの作成、写真の載せ方、ハッシュタグ(#)の使い方などを教えていただき、実践をしてみると確かな手応えがあったそうです。
相談したことで、次の行動を考えられるようになり、「まずは、やってみる!」という気持ちに変わり、壁に当たったら相談できる場所があると安心感を持てたと話しています。
不安なこともひとりで悩んでいても解決できないもの、相談に行ける場所があるというのは何か始めようとしてる方にも良い情報ですね。
和の小物としてだけじゃない、「つまみ細工」の魅力
現在、渡辺さんが作ったものはオーダー制で受注販売をしています。
髪飾りがメインですが、日常を彩るアイテムとして、もっとつまみ細工を広めたいと思っているそうです。
ゆくゆくは、「その場だけしか使わないけど、華やかな髪飾りを着けたいと思っている方向けにレンタルをする」など気軽に身につけるシーンを増やしたいと渡辺さんは考えています。
ヘアサロンや撮影スタジオなど企業さんとも提携したいと考えていますので、ご協力いただければ嬉しいそうです。
また、使えるシーンとして髪飾りにだけじゃなく、キーホルダーやピアス、コサージュなど普段使えるものとしても提案していきたいそうですが、なかなかオフラインでは伝えられない部分があるので詳しい方がいましたらご相談に乗っていただければとお願いしたいそうです。
アドバイスや実践していただける方募集しています!
悔しい思いをバネにコツコツと地道にやり遂げる姿が浮かび、飽き性の筆者とは比べ物にならないほど頑張り屋さんな渡辺さんでした。
お子さんも4人いて、家には自分の作業場がなく困っているようです。
やりたいことは色々浮かびますが何から手をつけたら良いかわからないというので一緒に実践できる方やアドバイスをしてくれる方と繋がりたいそうです。
知り合いになるには、情報はこちら
この記事は「風と土の交差点プロジェクト」の一環で、風の人と土の人の関わりしろを創ることを目的としています。毎日1人ずつ、富谷塾生を中心とした富谷のひとの情報を発信していきます。