根本(ねもと)さゆりさん
富谷市のお隣、大和町に住む根本さん。
刺繍やダーニングを自分が住んでいる地域だけではなく、全国に発信していきたいという目標があります。
また3人の子育てを奮闘中ながら、「誰よりも私が楽しみたい。そんな時間の共有がしたい」と自分の時間を大切にされています。
洋服に刺繍するだけではなく、古着を縫い直して販売も視野に入れているとのことです。
富谷で出会った刺激的な人たち
富谷に関わったきっかけは、2019年の2月頃ちょうどやってみたいと思っていたパン作り体験でした。
富谷の起業したいママたちが集まるマルシェで開催されていて、それに参加したのがきっかけでした。
その頃は、仕事も何もうまくいかずどうしようもない時で、何か新しいことに挑戦したいと思っていたそうです。
うまくいかないことに自分を責めたりもしていました。
自己肯定感が低く、何もできない自分を諦めていたことも。
しかし、マルシェなどのイベントで自分と同じようなママたちが頑張る姿を見て刺激を受け、何か自分でもやれることがないか探していたそうです。
話を聞いたり見たりするうちに芽生えてきた感情。
「そんな自分でもいい。それでも大丈夫だよ」って思える自分がそこにはありました。
そこから生まれた新しい自分。
【Dear Lily】の誕生です。
Dear Lily=「親愛なる私」
自分を見つめ直すことって、どれくらいの人がしているでしょうか。
内なる自分に目を向けたからこそ、今の根本さんがある(といっても過言ではないでしょう)。
根本さんが新しく始めたのは、【Dear Lily】と屋号を決め、刺繍と補修の依頼を受けること。
刺繍を始めようと思ったのは、率直に「かわいい」と思ったからだそうです。
しかし初めは「不器用だし」と諦めていました。
そこに今の自分を信じたい想いが重なり、「不器用でもいいか」とやってみることになったそうです。
そこには無垢な根本さんの想いがありました。
〝リリーちゃんという女の子がいます リリーは、私の中にいる子供の私
大人になりながら何度も願ったこと 「子供のように自由でいたい」
そんな自分を好きでいたい 信じてあげたい
ーーそう思った時に私から生まれたのが、リリー〟
(名前の由来:インスタグラムから引用)
自分を大事にするような温かみのある想いが根本さんを突き動かしています。
こわれるのが待ち遠しいダーニング
何度も刺繍をすることで思うようにうまくいくようになった頃、洋裁をしていた母と初のイベントを開催し、刺繍エプロンの販売をすることに。
そんな時、「ダーニング」と出会い、刺繍だけではなく補修(お直し)もするきっかけになりました。(ダーニングとは、衣服の穴や布が薄くなった箇所を針と糸で修繕するヨーロッパの伝統的なお繕い方法です。)
「お直しも一回だけではなく、こわれるたびに繕います、人生も服も重なってできるもの。それがどうなっていくのか楽しみ」だと根本さんは話します。
ダーニングは、全く同じものが繕えないので唯一無二のものになります。
手間をかけるほどに愛おしくなる、そんな想いなのかもしれないですね。
想い出刺繍
根本さんは、「お客様の想いとインスピレーションをリンクさせて作品を作り上げるのが私のお直しであり、刺繍。お客様の想いを聴くのが大好き。」と話しています。
「こわれたら捨てる」ではなくて、「繕い、蘇らせる」そんなお手伝いをしています。
そんな時間を自分自身が楽しみ、幸せになりたいと願い、好きなことをしているこの時間を共有できたら……と思っているそうです。
いつか子供が成長してすぐに着られなくなってしまう服も、お直しをして販売がしたいと考えているとか。
着られなくなった想い出のある服も、根本さんの手によって蘇ることができるかもしれないですね。
新たな命が吹き込まれたようなそんな一枚が、直される度に成長していくのも面白いです。
こわれた服のお直し頼んでみませんか?
たくさんの想いが込められている根本さんの刺繍。着られなくなったお気に入りの服も繕うことで新しく蘇り、着る人が幸せになることを願っています。
落ち込むこともあるけれど、そんな私でもいい、と自分を信じて前に突き進む根本さんと一緒に寄り添いたくなるお話でした。
お直しや刺繍のご依頼はインスタグラムまでお問い合わせください。
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この記事は「風と土の交差点プロジェクト」の一環で、風の人と土の人の関わりしろを創ることを目的としています。毎日1人ずつ、富谷塾生を中心とした富谷のひとの情報を発信していきます。