舟谷光次(ふなたにこうじ)さん
富士ゼロックス株式会社で長年に渡り公共営業マーケティングに携わり、東京本社で定年を迎えた舟谷さん。
一時は転勤で仙台に住んでいたこともあり、家族共々お世話になった仙台で老後を過ごそうと2015年に帰ってきたそうです。
現在は、後述しますがいろいろあって、富谷に新しくオープンするジェラート屋の経営に携わっています。
大企業からジェラート製造という、まったく畑の違う分野に飛び込むことになった経緯は、流れに身を任せつつも、まちのためになることをしたいという熱い想いが詰まっていました。
終始穏やかな笑顔で、物腰の柔らかい印象でした。
対話会のきっかけをつくった人
舟谷さんは、大阪生まれ大阪育ちで、転勤で仙台に来たことがきっかけで定住することになりました。
富谷市が主催する起業創業・まちづくり塾、富谷塾の塾生でもあります。
シニアが生き生きと暮らしていけるようなまちづくりをしたいと思い、健康麻雀(「賭けない、飲まない、吸わない」がモットーの認知症予防を兼ねた麻雀のこと)の普及のため富谷塾に入塾しました。
富谷塾では月に一回対話会という、みんなで集まってセミナー形式で講演を聴いたり、グループに分かれやりたいことを話し合ったりする会を開催しています。
対話会は、富士ゼロックスのフューチャーセンターという研究所で開発された「よい対話」をするための仕組みです。
富谷塾が開講する2018年よりも前に、舟谷さんは富士ゼロックスの地方創生活動の一環で富谷市役所を訪れ「まちづくりのために対話会をしませんか?」と提案していました。
富谷市の担当者の反応はとても良く、話がトントン拍子で進み、すでに対話会を導入している遠野市に一緒に視察に行ったそうです。
その後、富谷塾に本格導入されることになった対話会。
舟谷さんは、富谷塾の対話会の仕掛け人と言っても過言ではなさそうです。
ビジネスプランコンテストで人生が変わった
2019年の夏に「OMO(One for a Million , a Million for One) 」という社会起業を生み出すためのビジネスプランコンテストが開催されました。
そこで「Candy base」というネイルサロンを経営している金澤秀子さんと同じチームになり「地産地消」や「高齢者の活躍の場」をテーマにビジネスプランを練ることになります。
最終的に生み出されたプランは地域の食材を使い、シニアもスタッフとして参加するジェラート屋をやることでした。
審査の結果、なんと最優秀賞を受賞しました。
受賞から1年半経った今、ジェラート屋の本格的なオープンを直前に控えています。
舟谷さんは現在、金澤さんの強力な右腕として、顧問兼製造スタッフとして奮闘しています。
エプロン姿が印象的
インタビュー当日も、工房でジェラートを作っていたそうで、エプロン姿で迎えてくれました。
デザイナーが監修したスタイリッシュなエプロンがとても似合う舟谷さん。
まさか、こんな姿でジェラートを製造する未来が来るとは思っていなかったそうです。
代表の金澤さんは、ネイルサロンとカフェの開業は経験していますが、製造業での開業は経験したことがなかったため、事業計画書の作成で手が止まっていました。
困っている人を放っておけない舟谷さんは、金澤さんに頼み込まれたのもあり、事業の顧問として関わることになりました。
事務的なことだけでなく、製造ラインの試運転を兼ねて、自ら現場に立っています。
サラリーマンを経て製造業をやることになったので、原材料仕入れが発生する製造業の難しさを感じているそうです。
最近では考えすぎて、夢にジェラートが出てくるくらいだそうです。
ジェラート×まちづくり
流れに身を任せて顧問になったのかと思いきや「ただのジェラート屋だったら手伝ってない」と言います。
ただのジェラート屋ではないとは、どういうことでしょうか?
ジェラート屋「&とみやジェラート(& TOMIYA GELATO)」の特徴は、富谷の特産品、ブルーベリーや富谷茶などの地域の食材を使うこと、シニアの活躍の場を提供し、地域に愛されるお店になるということです。
ジェラートを通して、富谷市を魅力あふれるまちにしようという意思を感じられます。
もともとまちづくりをするために富谷市を訪れたこともあり、関わり方のスタイルは製造業という予想外なものだったけれど、これからもまちづくりに貢献していきたいそうです。
1年後の今頃に自分たちがどんな顔をしているか、まったく読めないこの状況の中、邁進している姿がとても眩しく感じました。
「&とみやジェラート」は2021年4月17日に、富谷市初の観光交流拠点「とみやど」の一角にグランドオープンします。
店舗で舟谷さんに会えると思います。
地域を元気にする富谷ジェラート、ぜひ食べてもらいたいです。
「&とみやジェラート」の代表、金澤さんのことは「&とみやジェラート × 中華屋 丹心 × HACCHIME」の対談で深堀りすることができます。
そちらもぜひご覧ください。
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この記事は「風と土の交差点プロジェクト」の一環で、風の人と土の人の関わりしろを創ることを目的としています。毎日1人ずつ、富谷塾生を中心とした富谷のひとの情報を発信していきます。