詩人書家 なおさん
小学生の頃から富谷在住のなおさん。名前と頭にパッと浮かんできたメッセージを詩として書き下ろす「詩人書家」として活動をしています。
細く華奢な身体から生み出されるの力強い文字と、心を揺さぶられるメッセージにはファンも多く、富谷市長も個人的に依頼しているほどです。
筆文字は正解のない自由な書道
初めて筆を握ったのは小学2年生の頃、近所に住むお姉ちゃんが書道教室に通っていたことがきっかけでした。
高校進学と同時に一度離れますが、自身のお子さんが小学校にあがるタイミングをきっかけに、親子で通い始めました。
お子さんが中学に上がるまでの6年間親子で通い続け、師範をとるほどの腕前となりました。
先生から書道教室を開くことを薦められますが、なおさんが選んだのは現在の筆文字でした。
理由を聞くと、「書くことが辛くなった」と教えてくれました。
師範試験のために何度も書いては先生に直され続け、何がダメなのかがわからなり、書くことが辛くなっていた時に、インターネットで見つけたのが今の筆文字だったそうです。
自分がやっていた書道とは違い、自分の好きなように表現して良い筆文字。
自分もやってみたい!とすぐに筆文字の世界に飛び込んでいき、今の「詩人書家 なお」としての活動が始まりました。
40代、50代の主婦が泣き出した
働いていたパートを辞め、筆文字を仕事としていけると手応えを感じるきっかけとなったのがとみや国際スイーツ博覧会への出店でした。
富谷塾生(自分のアイディアで地域を元気にしたい!」という想いを持つ塾生同士が、学びあうことで新たなビジネスや活動を創出するスタイルの起業塾)として、出店することになりました。
スイーツのイベントのため、分野の異なる筆文字には、誰も来ないだろうと思っていたのに、開始から人がどんどん集まり、行列が途絶えない。
人が途切れて、やっとトイレへ行くことができたのは午後3時だったそうです。
驚いたのは、行列ができていたことになおさん本人は気づいていなかったこと。
会場に来ていた娘さんに、「人がたくさん並んでいたので声をかけられなかった」と後から聞いて知ったというから、その集中力、凄まじいですよね。
なおさんは、相手の名前と2、3言の会話の中からインスピレーションで浮かんできた詩を書き下ろし、その詩を読み上げる活動をしています。
なぜ筆文字が人気なのか。
なおさんへ聞いてみると「世の中に言葉が少ないからみんな欲している」という答えが返ってきました。
知り合いでも、友達でも「がんばれ」とか「応援している」とか表面的な言葉しか掛け合っていない。
もっと心の深いところで欲しい言葉がもらえていない。
なおさんの筆文字は名前とインスピレーションで浮かんできた詩を書き下ろし、その詩を相手に声に出して伝えるのですが、
自分だけに掛けられるたくさんのその言葉に泣き出してしまう人もいるそうです。
特に泣くことが多いのは40代、50代の主婦の方。
主婦ってやることがいっぱいあるのに人から褒められたり、感謝されることって少ない。
自分のために綴られる言葉、嬉しいですよね。
人と話すきっかけを作る「ことだまんだら」
なおさんはイベント出店のために人見知りを克服したい、そして自分と同じような人見知りの人同士が何か楽に話せる場所を作りたいと1年程前から「人見知り部」を始めました。
人見知りさんは参加すること自体が勇気のいること。
面と向かって話す必要もなく、緊張を減らせるようにとなおさんは曼荼羅と言霊を合わせた「ことだまんだら」を考案しました。
紙とペンがあれば始めましてさん同士でも「何を書いているの?」と話しやすく、当初は6人だった部員数も、コロナの影響でオンラインへ切り替わったことでさらに全国へと広がり、現在は100人以上が登録する大きな部活になっています。
誰でも参加できるので、人見知りの方は参加してみませんか?
人見知りだけど人が好き
なおさんのこれからの夢は富谷在住の作家さんたちとアートイベントを開催すること。
自身で書道パフォーマンスをしたり、子供たちとシャボン玉に色をつけて白い紙に吹き付けるシャボン玉アートなど1人ではできないような企画ができたら面白そうと構想を巡らせています。
書家としては、これから筆文字の作品制作を多く手掛けていきたいと言います。
普段は小さい色紙の中で名前を書いていますが、昨年企業さんから依頼され、大きいキャンバスの中で手掛けたことが楽しく、もっと多くの企業の社名や理念などを書き下ろしをしたいと思っています。
人見知りだけど人が好きななおさんにとって、筆文字やことだまんだらは、人と関わるためのツールだと言います。
初対面は自分から前に出て行くことは苦手ですが、積極的に話かけてくれるのはとても嬉しいそうですよ。
知り合いになるには、情報はこちら
ホームページ 【書道アート専門【春洋書道】】
この記事は「風と土の交差点プロジェクト」の一環で、風の人と土の人の関わりしろを創ることを目的としています。毎日1人ずつ、富谷塾生を中心とした富谷のひとの情報を発信していきます。