佐々木美穂(ささきみほ)さん
美容師の傍らで、「誰かが元気になれば」という想いから筆文字セラピストとしても活動を始める美穂さん。
目まぐるしく移り変わる現代で、吐き出したい感情や言葉では伝わりにくい思いを、筆文字に込める…。
そんな筆文字のことを、目を輝かせて語る美穂さんは、これまで多くの経験と不思議なご縁からがありました。
創った筆文字に感動してくれた。
美容師の資格を持ち働いていましたが、出産と育児を機に、時間の都合がつく介護施設で働く時期がありました。
介護施設では、高齢者の方といろんな製作をする時間が楽しかったそうです。その中で出会ったのが筆文字でした。
習字を習っていたわけではありませんでしたが、筆ペンの書き心地と筆文字の風合いがとても気に入り、自分にすごくしっくりくると感じたとのこと。
それから、自分の筆文字をもっと上達させたいと思い、筆文字の先生を東京から招いて友達と一緒に習うなどしていきました。
何度も書くうちに、筆文字で伝えたい自分の想いや感謝を、友人や仕事で出会う方々へ贈ることが増えました。
なかでも印象的だったのが、色紙台サイズの筆文字アートを友達へ贈った時のことです。
贈った筆文字を何度も見ては、「ありがとう」と言ってもらい、本当に喜んでくれたそうです。
筆文字ってこんなに喜んでもらえるんだと、趣味でやっていたことにやりがいを見つけます。
子育てはずっと楽しかった、子どもと一緒に青春を過ごせた
美穂さんは加美町で暮らし、女手一つで3人の子育てと仕事に奮闘してきました。
しんどくて大変だった時がたくさんあったけど、多くの人に助けられたと振り返ります。
「泣きたい時は泣く、笑う時は笑う…。」親だからって強がらず、子どもと対等に向き合って一緒に成長してきたと聞き、思わず感動してしまいました。
そして、子どもたちが就職して巣立った現在、自分も子どもを通して青春をしてきたことに気づいたそうです。
寂しさも当然ありましたが、その代わりに自分の時間ができました。
その時間を使って、これからは好きな筆文字にあてていくそうです。
「自分らしく、心地よく」を探す旅
数年前大きな手術を経験した美穂さんは、病室から見える空を見ながら、内観していたそうです。
青々とした空に、どこか背中を押された気持ちになり「やりたいことをやろう」と決めました。
それから、より活動的になりSNSで知り合った詩人書家のなおさんと出会い、なりゆきで富谷塾へ参加します。
大きく発展する富谷に注目したことと、これからの筆文字の活動や情報発信につながればという期待もあるそうです。
そして、いつか子どもが富谷で暮らせるようになったらという希望もあります。
美穂さんは、誰かが元気になれる活動を筆文字を通してしたいと考えています。
どうすれば「自分らしく、心地よく」できるのか、今まさに模索しているそうです。
「ありがとう」を沢山言われる仕事をしたい
「美容師も、筆文字も一人一人の要望や魅力を引き出すのは同じ」と話す美穂さん。
いつか自分の美容室に来てくれたお客さんに、ちょっとした筆文字カードを送りたいそうです。
また、男性や女性、子どもお年寄り、障がい者の方も関係なく、筆文字で表現できる場があればと考えています。
目まぐるしく変化する時代で、窮屈になった自分の気持ちを吐き出したり、大切な人へ想いを伝えるツールになればいいとのこと。
自分の今いる環境が”心地いい”かどうか、見つめなおすきっかけにもなりますね。
優しく包み込む筆文字を
「大変だって言ったほうがいい、SOSを自分から発信していく、そういう環境もないと生きづらくなる」という話にとても心打たれました。
美穂さんは筆文字で表現できるからこそ、自然や人、自分にも感謝できる心の余裕を持たれています。
筆文字で感謝を伝える美容師さんとして、これから富谷でもご活躍されることを期待します。
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Facebook 佐々木美穂
この記事は「風と土の交差点プロジェクト」の一環で、風の人と土の人の関わりしろを創ることを目的としています。毎日1人ずつ、富谷塾生を中心とした富谷のひとの情報を発信していきます。